西から来た人たち その2

「音の危機一髪!」という音楽イベントに行ってきました。

エイブルアートの関係はアトリエ・ポレポレというお絵描きの方に時々子どもたちと行ってることもあって、時々気にしているのですが、今回のは柴田がチケット取ったので、僕は行くまで何があるのか知らなかった。

で行ったら体育館(秋葉原というか末広町に、千代田区が廃校になった学校を改造して、アート関係の人や団体にスペース貸しをしている「3331アーツ・チヨダ」という施設が最近出来たのですが、その中)にパイプ椅子が並べられて、ミラーボールとかぶら下がってて。

http://www.3331.jp/

で、あれ? 大友良英がいる、と思ったら、なんのことはない、この日出演の神戸の団体の顧問というか、おおきな支柱を大友さんがやってるのでした。演奏でも参加してたけど、むしろ裏方として走り回ってたね(笑)。

で、その団体というのは、神戸の「音遊びの会」っていうところで、これは知的障害児やその親、そして大友さんたちプロのミュージシャンが一緒になって音楽をやろうというもの。全部で40人くらいいるんだけど、基本的には即興で、曲によって小編成になったり、ビッグバンドになったり。正直、いい時もあれば悪い時もあるし、終わらないので照明落として強制終了(笑)というパートもあるんだけど、全体にはなんか和やかなムードで、「何が起こるんだろう?」ってハプニングを期待しながら、その時、生まれる音を楽しむ、という感じかな。

でも、最初にビッグバンドで音出した時は、かなりビックリしました。指揮を永井君(あとで本を読んで名前を知った)という子(といってももう大学生なのかな)がするんだけど、これがブレイクダンスというかパントマイムみたいな踊りを踊りながらやってて、メチャクチャカッコいいの。そこから生まれるグルーヴは、どこかオーネット・コールマンのような、アルバート・アイラーのような、セロニアス・モンクのような、チャールズ・ミンガスのような、デューク・エリントンのような、どす黒いもので、「あれ〜、もしかしてみんながガーってやったら、割とあの境地には行けちゃうもんなの??」とちょっとショック。

まだまだ試行錯誤の段階だし、ゴールがあるのかどうかも分からないけど、さっきの本(これやら、演劇などエイブルアートのここ5年くらいの活動をまとめた本)の大友さんのページを読んだら、彼自身もいろんな問題点も分かってて。そこに安心しました。

本↓
http://www.filmart.co.jp/cat138/post_134.php


5月にアップリンクXで彼らのドキュメンタリーが上映されます。以下に予告編あり。百聞は一見にしかず。この予告編から感じられるよりホンモノはグダグダな瞬間が多かったけど(笑)。
http://www.otonoshiro.com/

会場でビックリしたことがひとつ。僕が山口県の高校生時代に、北九州アニメーション同好会というところに時々顔を出していて、まあ今で言うところのアート・アニメーションの上映会などやっていたサークルなんですが(まだDVDなんかもちろんなく、ビデオがようやく先進的な家に入り始めた頃です……上映は当然フィルムで……あれ? なんか急に思い出したけど、そのフィルム、僕が東京のカナダ大使館から借りだしたこともあったような気がする……旅行で東京に来ていたのかな)、その時の親玉をやっていた金子さんという人に再会したのです。この「音遊びの会」の公演の写真をずーっと撮ってるみたいで。あまり長く話もできなかったので、今の本業がなんなのかも分かりません。その北九州の時代が今から30年くらい前の話ですが(マジかよ……歳とった、ホントに)、金子さんにはその後、僕がレーザーディスクの会社で「鉄腕アトム」の47枚組というとんでもないセット(たしか定価が20何万したと思う……それが1500セットくらい売れた)を作っていた折に一度、バッタリ会ってるんです(ちなみにそれが20年くらい前)。なんでかって言うと、解説書にまだご存命だった石森(当時はもう石ノ森に改名してたかな)章太郎さんのインタビューを採りたくて事務所に連絡したら、なんとその金子さんがマネージャー的な仕事をされていたという……。

金子さんも西から来た人ですね。それを言ったら僕もそうだ。

もう一人、やっぱり西から来た人の話。光島さんは京都だと思う、たしか。

今、このアーツ・チヨダの地下で、光島貴之さんという全盲の画家の展覧会が行われています。こちらも過去、雑誌のために対談をしてもらってそれをまとめた御縁があり。見て楽しい、触って楽しい素敵なアートです。お近くにお立ち寄りの際は是非↓。31日まで。28日にはワークショップもあるようです。

http://mitsushima.txt-nifty.com/notebook/2010/03/post-d759.html