結婚19周年。

 今週は晴子の誕生日が明けた月曜日に会社のN岡さんの送別会があって、僕は幹事を買って出たものだから、けっこう頑張りました。もう仕事そっちのけでその準備をしてた、みたいな。配り物を用意したり、参加者にアンケートを採ったり、当日のBGMを選曲したりと、基本的に飲み会ではあるんだけど、かなりイベント性を持たせて、その甲斐あってか、かなりイイ盛り上がりのグルーヴがある、あったかい会になったと思います。同じDVDチームの仲間で中心となって手伝ってくれた女性たちに感謝。デザイナーのT本君にも感謝。

 1日おいて16日(水)は会社をお休み。19回目の結婚記念日です。ここ数年は、昼間に夫婦で出かけて、ちょっと豪勢な食事を取ることにしています。とにかく我々の生活は「自分に戻る」時間がほとんどないので、年に一度くらいは二人だけでゆっくりと。

 その前に、僕は六本木の映画館でディズニー/ピクサーの新作「カールじいさんの空飛ぶ家」を観に行きました。本当はこれも二人で行くつもりだったんだけど、柴田はその時間に手が空かず。

 ピクサーの前作の「ウォーリー」は映画館で見ることができず、DVDで観て、「うーん、まあ……イマイチだなあ……」というところでした。CG界の先駆者であるピクサーの作品群を僕は非常に好きで、もはやアメリカ映画の良心はピクサーの創るものにしか残ってない、とまで思うほどでしたが、さすがに作品を重ねてくると、中にはほどほどのものも出てきます。

 だから、今回のはどうだろう、という不安もあったのですが、いや、イイですね! おすすめします。細かいことを言い始めるといろいろ言いたいこともないではないのですが、まあ、割と泣きっぱなしでした(笑)。そして、この映画3D(立体)映画になっていて、映画館にもよりますが、メガネをかけると立体で観られる! 昨今、ハリウッドは映画館の存続のためか、3D化にやっきになっていて、これからも「アバター」などの大作が控えています。僕自身は正直言って、3Dなんてあくまでも見せ物小屋的なもので、これが映画の標準的なフォーマットになるとは思っていませんが、しかし「カールじいさん」は決して悪くなかったです。

 元々、ピクサーが他のCGプロダクションの追随を許さないのは、「いい絵」を作るためにどれだけ腐心しているか、というところにあると思うのですが(もちろん、ストーリーの練り込みもあるけど)、今回はそれを3Dという土俵で、どうやったら効果的か、ということを本当によく考えて作ってありました。3D映画の批判に「目が疲れる」というのがあるのですが(僕もそう思っていた)、「カールじいさん」を観ていてそう思う瞬間はほとんどありませんでした。そのこともよく計算されています。いたずらに視線を動かさない、カットを短く割らない、とか(もちろん、彼らはもっともっと細かいレベル、我々の無意識のレベルにまで下りて、検討を繰り返しているはずです)。

 とにかくおすすめ。そしてお近くに3Dで観られる劇場がある人は、ぜひそちらで観ることをおすすめします(特別料金が300円加算されるのですが、その価値はあります)。


 さあ、そろそろ食事だ。六本木から赤坂まで歩いて柴田と合流、ビズ・タワーの1階にある(と言いながら、この界隈には本当に久しぶりに足を踏み入れましたが)、「モダン・カタラン・スパニッシュ "Bikini"」というスペイン料理のお店に。先週あたりに、「なんかスペイン料理がいいなあ」ということになり、会社の女性と話していたら、この店をプロデュースしている人が前にいた店を取材したことがある、てな話になって、ここに決めました。

 いやー、本当に美味しかった! まずはスパークリング・ワインで乾杯して、最初のピンチョス(前菜)へ。まるでお寿司が並んだみたいなカンジで、魚やら肉やらの小さなおつまみが並んで、味も繊細。中でも生ハム、さらにその中でもドングリだけを食べて育ったというイベリコ豚の生ハムは、ちょっと今までに食べたことのない味でしたね。


 サーブしてくれた女性がまた実にフレンドリーで、お料理の説明も楽しい。続いて鶏のレバー・ペーストとパン。これがまた旨い! 少し豪華な赤ワインを1本頼むと、この香りもまた素晴らしく、「もう、これだけでもいいやあ」と頬が緩みます。

 スープは小さなビシソワーズ風のジャガイモのポタージュなんだけど、そこにタラのエキスがしっかりと、しかし生臭くなく染み込んでいて美味しい。って、ほとんど「美味しんぼ」の世界になってきましたね。


 続いてはブイヤベースに載ったお魚のソテー、そしてフルーツのソースがかかった牛のフィレ。そしてシメはパエリヤ。いずれもゴキゲンな味。僕は基本的に甲殻類が食べられないのですが、近年、気がついたのは、ちゃんとしたお店で出している素材であればそんなにイヤでもない、ということで(なんか生臭いのがヤなんですよね)、もちろんこのお店はOKでございました。

 そして、さらにさらに、最後はデザート。これが一番最初の写真なんですが、あらかじめ結婚記念日で、と伝えてあったので、ケーキやらシャーベットやらがいろいろと載ったプレートにチョコレートで「Feliz Boda!」の文字が。「結婚、おめでとう」というカンジでしょうか。いやー、心づくし、嬉しいですね。

 というわけで、来年はいよいよ20周年。どうなりますことやら……。