「バラカン・モーニング」

 いやー、もう、4年半くらい今の会社員生活やってますが、この余裕のなさは史上2番目、というくらいに、今週は厳しかった! とにかく会社にいる間中、気を抜くヒマがないし(お昼ご飯の時だけですね……ホントに忙しいとそれすらも「ホカ弁買ってきて!」ってなるのですが、そうなると心も荒んできますので、今回は避けました)、家に帰っても、子どもが寝たあとに、仕事の続きをしてるようなカンジで……。

 おまけに週の頭の方で腰が痛くなってしまい、火曜夜の太極拳をお休みして(前に屈むことができなくなっていたので)、その時間に近所の整体に行ってもう、自分は剣山になったのか!? というくらいに鍼を打ってもらいました。おかげさまでなんとか復調。いやー、ガタが来てますね、自分。

 そんな中、とっても嬉しかったのは、今週の月曜から、InterFMでピーター・バラカンさんの新しいラジオ番組が始まったこと。ピーターさんは一般的にはテレビで夜中にやっている「CBSドキュメント」って向こうのニュース番組の翻訳版のホストとして有名ですが、元々は音楽の人。僕が学生時代には「ポッパーズMTV」という番組のホストをやっていて(これがテレビの出始めだったのではないかと思いますが)、僕の世代(もうすぐ45!)には、この番組で音楽の趣味趣向を方向付けられた人が少なからずいます。当時、MTVが始まったばかりで、いろんなミュージシャンがビデオクリップを作り始め、それを流す番組もいくつかありました。嚆矢は小林克也さんがホストをしていたテレビ朝日の「ベストヒットUSA」ですが、これはその名のとおり、アメリカでのチャートをベースにした作りで、その時々の流行りものが見られるもの。それが先にあったからでしょうが、「ポッパーズMTV」(TBSでした)ではもうちょっとマニアックなものが見られ、ピーターさんがイギリスの出身ということもあって、英国のアーティストのものが多くかかったし、また彼の趣味の間口の広さが幸いして、ジャズやワールドミュージックのものまで紹介されたりしていました。この番組で初めて知ったアーティストを、翌日にいそいそとレコード屋さんに行って(当時はまだアナログのレコードでした)、買い求めたことも一度や二度ではありませんし、ちょっと音楽の好きな学友とは「昨日かかったあれ、良かったよね〜」という話題で盛り上がったりしました。

 ピーターさんとはその後、仕事の上でもお世話になることが多々あり、今の会社に入ってからも、DVDの解説書(レゲエ映画『ハーダー・ゼイ・カム』)や、配給する映画のパンフレット(黒人バンド、アース・ウインド&ファイアーが出ており、ハーヴィー・カイテルが主演した'70年代幻の映画『ザッツ・ザ・ウェイ・オブ・ザ・ワールド』、ウガンダの難民の子どもたちを描いたドキュメンタリー『ウォー・ダンス 響けぼくらの鼓動』)などのために、インタビューを採らせていただいたことが……かれこれ3回。

 近年、ピーターさんは土曜日の朝7:15〜9:00に、NHK-FMで「ウィークエンド・サンシャイン」という番組をもう10年くらい(もっと?)やられてました。ところがこちら、土曜日の朝は疲れててとてもじゃないけど起きられないし、起きていても子どもたちがいると、大人の音楽番組のラジオなんか聴けないわけです。

 ところが今回始まった「バラカン・モーニング」は、なんと月〜金の帯番組で7時〜10時。これだと、8時頃には子どもたちは学校に出かけますから、その後、自分が会社に向かうまでの時間(ほんのちょっとではありますが)、聴くことができる! 嬉しいですね。とにかくこの人の場合、ハードなロックなんかはまずかかりませんから、本当に落ち着きます。こないだも、ラジオをつけるやいなや、いきなり大好きなジョニ・ミッチェルの曲なんかが流れており、「こんな番組は他にないなあ〜」と思わずニンマリ。まあ、バラカン・スクールで育ってきた僕ですから、彼がかける曲が嫌いなわけはなく、まことにありがたいことでございます。おまけに英語の発音講座なんかもあったりして勉強になります。

 それにしてもNHKの番組も続いているわけで、つまり月〜土の6日間、朝の7時から生放送。まるで、みのもんたのような忙しさ! ピーターさんとはコンサート会場でお目にかかることがよくあるのですが、これからはあまり夜遅くのライヴにはいけないのでは……ともあれお体に気をつけて、番組が長く続いて欲しいですね。