不思議なことばかり

午後、会社を抜けて、晴子の通っている特別支援学校へ。学校と、目黒区の教育委員会障害福祉課、そしてわが家との三者で、晴子の地域での生活について、現在、未来含めて、話をする会合がありました。

トータルで30分ということで、そんなに大した話もできなかったのだけど、テーマ的には二つのことを話しました。一つは「復籍制度」のこと。「副籍」かな? 都立の特別支援学校には昨年度からこの制度があって、要するに特別支援学校に行きつつ、地元の普通学校にも籍を置いて、そっちの授業にも出られると。そういう制度です。ただし、まだこれは本格的には機能していないようです。もちろん生徒によって、また受け入れ先の学校によって、さまざまな状況、条件が生じるわけで、その中で叶う範囲で、みたいなカンジになっている。

それで、晴子もこの制度を使って地元の中学校に行かせたいという話は入学前からしてて。というよりも、それが使える、という前提で、この特別支援学校に通わせることにします、というくらいの勢いでございました。というのも、子どもにとって同年代の子どもたちから受ける刺激、その恩恵というものがどれほど大きいか、時生を一年間、近所の普通小学校に通わせてみて痛感していたから。もちろんそれ以前の、時生の保育園での生活、あるいは晴子の学童保育クラブでの生活、というのを見ていても、そのことは強く感じていました。障害のある子が、障害のある子だけがいる環境で育つのはあまりにも失うものが大きい、そう思います。

それで4月からでも始めたかったんだけど、こうしたことが一朝一夕に行かないのはいつものとおり。でも、夏休み前に、ようやく特別支援学校、近所の中学校との話し合いもでき、とりあえずは夏休み明けから週に一回、音楽の時間に参加することから始めましょう、ということになった。

ところが! 新型インフルエンザの流行で、この復籍での授業が全面的にストップになってしまったんです。晴子に限らず、この特別支援学校で復籍やってる子全員。始まらないの。まあ、罹患すると大変なことになりかねないお子さんもいるだろうから、理解できなくはない措置ではあるんだけれども(今日も、学校に入る前に、簡単な問診票を書かされて、熱も測らされました)、中学校3年間しかないのに、もう半年経って、それでこのストップがいつまで続くか分からない……とりあえずは、早く再開、というかスタートできることを切に願っております、ということを伝えました。

もう一点は晴子の将来について。この特別支援学校って高校まであるんですが、障害のある人の多くは、そこを出た後、福祉作業所みたいなところに行ったりしてます。その是非はさておき、妻とは「高校ってどうなんだろうねえ?」という話を最近していて……つまり、義務教育だけでもういいんじゃん? と。もちろん、学校行かなくなったらその生活どうするかってことはまだ五里霧中。それで、今日、障害福祉課の人に、「例えば中卒でそういう作業所とかに行くってのはありなんですかね?」ということを聞いたら、「いや、高校を出た人を対象にシステムが回っていくようになってる」と。その後、行き場がなくならないようにやってるんだ、と。つまり、障害のある人は高校まで行くことが当たり前ってこと?

ちょっとビックリしてしまって、そういう例ってないんですか?と聞いたら学校側のスタッフの一人が、「前は練馬区なんかでそういうこともあったみたいですが、今はもう……」みたいな返事で、じゃあ、つまり、東京では障害のある子のほぼ100%が高校に行ってるってことなんだ?

思わず「でもそれって、おかしくないですか? 高校は義務教育じゃないのに? いや、別にこれ『抗議』として言ってるんじゃないですけど」と言ってしまった。だって、ねえ? 不思議じゃない?

つまり、中学出たら、高校に行く以外に、居場所がないってことなのか……でもって、そこ出ても……作業所ってものの存在にも大いなる懐疑を抱いているんですよ。それで、見学はいつでもできるって聞いたので、近々覗いてみようと思ってます。

なーんか、またいろいろ勉強しなくちゃならんなあ……ふう〜……と落ち込みながら会社に戻る途中、ふと立ち寄ったCD屋に……売り場で思わず「うわぁ!」と大声を出してしまったんだけど、大昔から大ファンの英国のグループ(と言いつつ、今はリーダー、パディ・マクァルーンの一人グループみたいなものなんだけど)、プリファブ・スプラウトの新譜が出てるじゃないですか! こんな情報社会でありながら、こんなもんが出るなんってぜっんぜん知らなかったので心底驚いてしまった! なにしろオリジナル・アルバムで言えば前作「ガンメン・アンド・アザー・ストーリーズ」が2001年(時生の生まれた年だ!)のリリースで、つまり8年ぶり! その間に、パディのソロ名義のインスト盤、名盤「スティーヴ・マックイーン」の25周年記念盤(先日の家で聴きまくり大会の時も聴いていた)などもあったにせよ……。いやー、びっくらこいた。しかもタイトルが「Let's Change The World With Music」(音楽で世界を変えよう)ですよ! カッコ良すぎる! てか、バカすぎる!(笑)

まだ半分くらいしか聴いてないので、感想は後日。ただ、文字の小さいライナーノーツを読むと、収録曲はそもそも'93年にリリースするつもりだったものらしい。'93年と言えば、僕ら夫婦が世界一周旅行をしていた年。自民党が負けて短い細川政権になった年。なんか、いろいろ節目がリンクしていて、また感慨もひとしおです。

ジャケ写、amazonの載せますが、HMVでは1500円ポッキリでしたので、そっちの方が安いです。

Let's Change the World With Music

Let's Change the World With Music

そして夜は毎週火曜日太極拳。いや、ホント、いいです。なんかね、終わった後、カラダが凄く楽になってるの分かる。特に火曜日って、ヘルパーさんがいることの少ない土日挟んで月曜日会社行って……ってかなり疲労のピークみたいな状態になってるんで(金曜の夜から土日とお酒も飲むしね)、ホント、ボケボケなんですよ。頭痛もしてる、みたいな。それが、教室で1時間半やった後は、こう、疲労感もあるんだけど、凝りが取れてるというか、詰まってたところが上手く抜けてるというか。正直、文字通り、見よう見まねで先生の真似をしてるだけで、この効果……っつうことは、ちゃんと習得できれば(ってゴールはないようなもんですが)、これ、かなりいいんじゃない?って期待してます。

しかし、また長くなってしまったな……釜山旅行記……終わらせないとな……。