メチャクチャ

いやはや、目黒区の子育て支援課は無茶してくれる。

時生の行ってる学童保育クラブ(1〜3年生で放課後家に帰っても親がいない子たちが過ごすところ)は昨年度から定員オーバー。1年生より3年生の方が一人で暮らす能力が高いから、3年生の子の中から他のクラブに振り分けられそうな子が出た。だけど、学童ってのは託児所とは違って、その中にちゃんと上下入り混じった社会があって、その中で3年間暮らして大きくなっていくってとこがイイわけです。だから父母会が猛反対して昨年度は定員オーバーでもなんでもいいから、全員受け入れてくれと、そういうことで区側に話は通った。もちろん定員というのは場所の広さに対して決められているわけだから、当然狭くなる。ケンカも増える。指導員たちもてんてこまいで子どもたちに目が届かなくなる。楽勝というわけにはいかなかった。

それで今年度を始めるにあたって、やっぱり定員オーバー。もうこれ以上はムリだから、4人の新入生がハナっから近隣の学童に行くことにした。というのも、区が(「区の」って書くときはイコール子育て支援部&支援課のこと)このままやってても定員オーバーの問題は延々続いていくので、来年度からある道からこっちの家は隣の学童に行ってくれ、という方針を打ち出したから。その4人の子たちはそっちのエリアに入っていたので、2年生から変わらなくちゃならないんだったら、最初っからそっちに行っておこう、という親御さんの判断があったわけだ。

ただ、その隣の学童を使ってもやがてはまたいっぱいいっぱいになってくる。というので、もう一個、別の学童を近くに作った方がいい、という議論もあり、区もそれに乗ってきてくれた。ただし今のような公設公営の場合はすごく時間がかかるから、すぐにも欲しいんだったら民設民営、ようするにどこかの企業に委託するものになりますよ。そこらへんはどうなんですか。ひとつ、父母会で6月までに、どんな学童が欲しいか、総意をまとめてくださいと、そういう話になった。6月までというのは、区議会に新しい学童を作るための補正予算を申請するにはそこがタイムリミットだから、ということだった。大体3000万円くらいかかるらしい。だが、そこで申請をすれば、来年の4月1日から新しい学童が稼働することも不可能ではない、そういう話だった。非常に積極的な、好もしい印象を受けた。

それで学童の父母会は親たちにアンケートを採った。その結果はいくつかの選択肢の中から「新しい学童を作ってくれ」に○を付けた家庭は全体の65%くらいだった。

先週6/24、子育て支援課長と親たちとの話し合いがあり、父母会はアンケートの結果を伝えた。支援課長は、そうであれば、もし新しい学童を作って、自分の家がそこに行くべき地域に該当した場合は、ちゃんとそっちの学童に行きますよ、という一軒一軒の名前が入った同意書が欲しいという。そうでないと、いざ作っても、いや、ウチは今の学童の方がいいんです、なんて言い出されて、誰も人が入らない、なんてことになっては困るから。しかもその同意書は父母会にまとめて欲しいという。いや、そんなの区で文書作ってみんなに配ってくれよ、ってな話でタイムアップ。

その後、父母会は6/30に臨時総会を開いて、もう一度、父母会として、新しい学童を作ってくれという要望を出す、という「総意」をまとめ、区長宛の要望書と、子育て支援課宛の質問状を出した。なんで同意書がいるんだ、とか、何割の家庭の同意書が必要なのか、とか。

それで、子育て支援課長がその質問への回答をする会というのが、急遽本日7/2に行われ(毎週ですよ……それも平日の午後7時から9時まで……)、課長の話が始まったのだが……

「とりあえず、補正予算の申請は行わないことに決定しました、4月1日に新しい学童が稼働する、という事態はなくなりました、だから同意書ももう入りません」

というのである。ハイ? なんでいきなり「決定」なのよ!? なんでそんなこと勝手に決めるのよ!? 当然のことながら、集まった親たちはブチ切れたね。特に、ここまでいろいろ取りまとめてきた父母会の役員たちは怒った怒った。

で、論拠を聞くと、先に採ったアンケートの結果が65%だから、これは「総意」とは言えないだろうと、だから今急いで作ることはないんじゃないかと。

いやいやいやいや、そもそもそのアンケートは「総意」を確認するために採ったわけじゃなく、まずはみんなの温度を測るために採ったようなものなんだし、それを受けて同意書云々の話が出たから、わざわざ臨時総会まで開いて、あらためて「総意」を確認し、それで質問をしてるわけでしょう。なのに、なんで、いきなりそれを論拠に「止め」になっちゃうわけ?

いや、しかし、「総意」という言葉の字義は「全員の一致した意見」ということでしょう、それがないわけですから、今回は見送ろうというわけです、と課長。

だったら最初っから、何人以上とか、何%以上の賛成票がないと動けませんとか、そういう言い方をしてくれよ、と反論した親御さんもいた。その通りだと思う。

本当のところは分からないけれど、なんかたった一週間で手のひらを返したようなこのカンジ。いくらなんでもおかしくないか? アンケートの65%という数字があるのを見つけて、「あ、これ使えんじゃん」と閃き、「総意」という言葉の解釈を弄んで、とりあえず今期は事なきを得よう、なんだかそんな思惑が見えてくる。

そもそも最初から来年の4/1に新学童を間に合わせようという意志があったのかね? 本当はダメに決まってるんだけど、いきなりそう言ったら反発くらっちゃうし、時間稼ぎとして、何回か会合を持つ……そんな芝居に僕らは何時間も、何日間もつき合わされてたような気さえしてくる。

いや、ホントに、ここは民主主義の国の中なんですかね? 結局、何でもお上の決めたことが絶対になっちゃうんじゃ、ヒットラーの時代と何も変わらないんじゃないの?