ボジョレー・ヌーボー

大体、こうしたメーカーだか業界だかの主導するムーヴメントというものはあんまし好きじゃない。「美味しんぼ」でも非難するような回があった。大体、酸っぱいと決まっているし、去年のと比べようったって同じ農場のものかどうかも分からず、しかし分かっていたって去年の味なんか覚えているわけもなく、比べようもない。ワイン通でもないから「よっしゃ、今年のブドウはいいブドウ!」なんて思えるわけもない。

もうかれこれ10年くらい前の話になるが、ちょうど今自分の季節にパリにいて、飲み比べをするために何本かいろんなワイナリーのものを買って(大体、1本700円とかそんなもんだったと思う)友人宅に戻ろうとする途中、その男はこう言った。
「日本で買うといくらすんの?」
「うーん……20ドルくらいじゃない?」
「……お前らバカか!?」
つまり、まあ、そういうもんなのだ、ボジョレー・ヌーボーなんてものは。

とかなんとかいいつつ、東急ストアで買ってきてしまいました。うちの会社は食に関するチャンネルをやっているので、視聴者プレゼント用に毎年この時期、何十本とこれが届き、担当のスタッフが発送に追われている。その箱に入っていた「ボジョレー解禁!」みたいなポスターを社内にこれ見よがしに貼るもんだから、そりゃあ、やっぱり酒好きとしては「やっぱ飲むか」となるわけですよ、ハイ。

しかしまだ栓を開けてないのです。どんなもんでしょうね。