どこ行くの、パパ?

どこ行くの、パパ?

どこ行くの、パパ?

今から一年くらい前だろうか。パリに住んでる友人のひろみに、「フランスにこういう本があるんだよ」って教えてもらって、その最初の方を少し翻訳してもらった。その著者は、フランスで放送作家のようなことをしていて、二人の障害のある子を育てた父親だということだった。

もう70くらいの人だから、書かれてることは随分前のことなんだろうとは思う。日本人の感覚からすると、ちょっと自分の子どもに対してシニカルすぎない?と突っ込みを入れたくなるような調子の短編、というか、これはほとんどスケッチ、もっというなら「詩」の集積のような本。

「どうせなら君が翻訳したら?」って僕はひろみに言って、ひろみもその気になって、版権の行方を調べた。そうしたら、世の中というものは、やっぱり、するべき仕事をする人がするべき仕事をしているのである。既に日本での出版権は白水社に売られているということで、彼女の出番はなくなってしまった。

その本が出ました。僕はまだ途中です。この本の読者として、僕ほど適任な人もいないでしょう。障害のある子を二人育てている父親、という意味ではね。日本にそんな父親が他にどれだけいるのか知らないけれど、まあ、せいぜい数千人、いても1万人、2万人とか、そんなもんじゃないでしょうか。

全部読んでから感想を書きます。