シンプリー・レッド。

一昨日の土曜日になりますが、昼間は時生の学童の連合スポーツ大会、だったはずが雨で規模縮小。本来は近隣のいくつかの学童保育クラブの親子が紅白に分かれて対決、というものなんだけど、一番近い緑が丘の学童と我がたつまき学童の一騎打ちというか、交流スポーツ大会みたいなのを体育館でやりました。

時生はリンリンGO!という種目に毎年チャレンジしてます。これは途中まで三輪車に乗って、フラフープくぐって、ビニールシートの下をくぐるという、まあ障害物競走のようなものなんだけど、その三輪車の部分を、特別な三輪車(手押しと前輪の部分が連動するもの)を借りてトライしようと。ところが昨年はプレッシャーに負けて、この三輪車に乗ること自体が能わず。今年はなんとか乗りましたが漕ぐまでは行かず(練習時には漕いだりしてるんだけど、やっぱり本番はみんなの注目とか歓声もあるしね)。でも、仲間たちの応援もあって、なんとかゴールまで行きました。よっしゃよっしゃ。

で、夜はヘルパーさん2名に子供たちをお願いして、夫婦で有楽町の国際フォーラムAへ。活動25年の英国バンド、シンプリー・レッドの解散ツアーの一環で、この日が唯一の日本公演。フォーラムAは5,000人入るんだけど最近は大してヒットもなかったというか、日本ではほぼ忘れられた存在だったので、2階から上はそんなに埋まってなかったなあ。まあ、今回は10列目が取れたのでそんなことを気にする余裕もないというか。

このバンドは、いわゆるゴリゴリのロック・バンドではなくて、アメリカのソウルやR&B、ファンクといった黒人のポップミュージックのエッセンスを、ミック・ハックネル(というのが日本での定着した表記だけど、Hacknallってハックノーとかそういう発音?)という類い希なる天才シンガーが自分なりの解釈で演奏するというようなものです。まあ、バンドと言っても彼一人が中心で、実際、メンバーもちょこちょこ入れ替わっている。だから「解散」という言葉もあまり当たらないんだけど(Farewellツアーだから、サヨナラ・ツアーですね、正確には)、とりあえずシンプリー・レッドの名前でやるのは今回が最後だよ、というわけです。

いやー、素晴らしかった、本当に。過去3回観てて、そのいずれも素晴らしかったけど、今回もホントにすごかった。ミックの声は全然衰えていないし(それでも家に帰ってファーストを聴いたら、かなり高域中心の声で、そこはやっぱり寄る年波で太くはなってるんだけど)、バンドの演奏も鉄壁。ここ数年はギターを日本人の鈴木賢司が担当しているんだけど、これも本当にうまい。曲に合わせてエレキもアコギもぴったりのフレーズをぴったりの音色で弾く。さすがに「神童」と呼ばれた人だすなあ。僕と同い年です。

構成は前半に大人し目のものが固めてあったので、「こりゃあ後半はエライことになるなあ」とわくわくしていたら、思った通り、怒濤のヒット目白押しで、もうこっちの息が切れそうになるくらい。客席も前半はほとんど着席してたんだけど、中盤からグワッと盛り上がってきた。なにしろどの曲もみんなで歌えるリフが用意してあるから、歌え踊れの大騒ぎ。今年は4月に行ったダーティー・プロジェクターズも客席のノリが最高だったんだけど、あの時はクラブ。こんな大きなホールでこんなにみんなが盛り上がってるコンサートは一体いつ以来だろう??? 素晴らしかった。

アンコールにはかつてこのバンドのメンバーだったこともあるドラマー、屋敷豪太が登場し、アルバムでも彼が叩いていたヒット曲「スターズ」を演奏。始める前に少しミックから「日本語でなんか喋れ」と言われて「言いたいことがありすぎて何を言っていいか分からない。彼は世界で一番の親友で、世界で一番のシンガーです」。もちろん大拍手。

もともとのバンドのドラマーもめちゃくちゃ上手いんだ。その人とベーシストは名字が同じなんでたぶん兄弟の黒人さん。ちなみに彼らとキーボーディスト、トランペッターの白人は、ひたすら職人に徹していて、ほとんど見せ場らしい見せ場は与えられないというのが、ちょっと気にはなったなあ。おいしいところは鈴木賢司とサックスの人(この人だけがデビュー時のツアーから参加している古株)がさらってる感じ。あ、話がそれた。何が言いたいかっていうと、屋敷豪太は豪太で、やっぱり上手くて、おまけに味わい深いドラム、叩いてました。鈴木賢司もなんだけど、本当に楽しそうなんだよね。見てるだけで嬉しくなっちゃう。

終わって時計を見たら、まだ19:48分。18時スタートで少し遅れて始まったから、アンコール入れても実質90分くらいだったわけ。でも、体感としてはたっぷり2時間分くらいに思ってたのはこちらのトシのせいか、それとも内容が濃かったからか。

で、この日びっくりしたのは、ロビーで、なんとこの日の公演の音をMP3にして入れたUSBメモリを3,000円で売っていたこと。ドイツのSimfy Liveという会社がやっているサービスのようで、全公演、これをやってるようだ(ほかのアーティストではKISSとかマーク・ノップラーとか、エルトン・ジョンとか、スーパートランプもやっている……しかし、今は何年だ?ってラインナップだね)。知人が買ったのを後で見せて(聴かせて)もらったら、そのUSBにはコンサートの前半だけが入っていて、後半は24時間以内にWEBにアップロードされるのでそこからダウンロードするようになっていた(箱の中にダウンロードするためのキー・ナンバーが書いてある)。なるほど、全曲入れてたら、終演後に売るのには間に合わないわけだ。それにしても、あのUSBはどれくらい作るのだろうか(売店では途中で売り切れていた)。一気にコピーできる機材があるってことだよね。本当にえらい世の中になったものだと思う。まあ、こうすれば会場で無断録音した人が海賊版を作ってもうけるのを防ぐこともできるわけだね。なにしろちゃんとしたライン録りで歓声もきちんとミックスされていて素晴らしい音質だ。そこでまた改めて、バンドとミックの演奏の完璧さに驚いてしまった。

というわけで、どんな感じだったか知りたい人は、このツアーの様子がずいぶんyoutubeにアップされてるのでコチラへどうぞ。

またさっきのUSB販売、WEBでデータのダウンロード販売もやってるので気になる方はコチラへ。